病院前に待っていたお兄さん夫婦と対面。久しぶりの再会に双方とも泣いていました。
そして、感染対策のチェック後に外来へ移動。
私は、本人への説明に苦慮して、弱くなった足のリハビリをしてもらうために来たとごまかしましたが・・。
長い時間の診察が終わり、病室へ移動。そのまま入院することになりました。外来の診察の際に長谷川式のテストをされたそうです。前の病院では11点とのことでしたが、私たちと過ごした直後は20点だったそうです。11点での受け入れ準備をしていたとのことで、受け入れ病院も戸惑っておられました。しかし、準備しているので、しばらく様子をみますとのことに。
私は、担当の看護師さんとの情報交換。
前の病院からの情報以外で私の感じた事をお伝えしました。
歩けると思っているので、だれもいなければ一人で立とうとする危険性があること、そして、それが一番の問題点で、他のケアの食事の事、排泄の事などについてのようすを説明。
できれば会話のできる環境にしてあげて欲しいともお願いをしました。
立ち上がろうとするのは、誰もいないところでトイレに行こうとする時や何かを取ろうとした時など、その時が一番危険かもしれない事。
声をかけて制止してあげれば大丈夫であることも・・。
話しかけてあげれば、寂しさも軽減されると思ったのです。
しかし、入院となった病棟は、みんな重度な方ばかりのお部屋。患者さん同士で会話できる雰囲気の場所ではなかったのでした。
私からの情報を確認すると、病院側から告げられたこと
転倒のリスクについて、以下の対応の了承をして欲しいと。
①頭部を保護するヘッドギアの装着
②大腿骨頚部骨折の対策としてヒッププロテクターの利用
③車椅子はティルトの車いすを購入 リクライニング機能なし
④そして、さらに車いすでの抑制帯の利用
上記の4点についての了解を求められたのでした。
車椅子はリクライニング機能はまったくついていないティルト車いすとのことで、病棟を覗くと数人の患者さんがティルトのまま座っていました。とてもきつそうでした。
私たちが、そんなお話をしている間に、彼女は食事摂取・歯磨きが終わろうとしていました。
すべての事が終わり、ご挨拶をされますか?と問われました。
お兄さんとガラスの扉を介して、挨拶・・。何度も何度も、「もう、帰るの?」、「また来るからね」・・。
泣きながらの挨拶・・。少し離れた後ろから見ていて、こちらも泣けてしまいました。きっと、何で自分だけが、また知らない場所に一人で残されるのかと感じたはずです。
せっかく、お兄さんに会えて、懐かしい会話もしないまま、知らない土地での入院生活。ここがどこかも認識する時間もないままに・・。
私たちは、お別れの挨拶も遠慮させていただきましたが、本当に辛かったです。
そして、私たちは福岡に向けて出発。でも、その後も大変なことになったようです。