転院への同行で感じた事は、私たちが日常のケアを振り返る意味でも、とても大切だと思い、数回に分けてブログに書きました。
私自身を含めて、医療や介護に携わるお友達の皆様にも振り返っていただきたくて紹介をさせていただきましたが、こうして振り返ることで私自身も気付くことがたくさんありました。
「出来ない」と思っていた事は本当にできないのか、食事・排泄・洗面・歩行・移動・移乗・・・・。
「この方は、全面介助です!」なんていう言葉を良く聞きます。
実際に今回の彼女も要介護度4ということでした。
そんな彼女は、車への乗り降りも手すりの位置を教えて誘導してあげれば一人で出来たのでした。
今回利用した車は、後部座席の乗車口はとても高かったのですが、頑丈な手すりがついていました。その手すりに掴まり、身体を反転させて着座できるのでした。最初は一人が先に乗車して引き上げる体制で介助しましたが、その後は、声掛けだけで自力で乗車してもらいました。
車の段差だけでなく、フェリーの客室の段差約10cm、トイレの段差約20cm。すべて抱えることは一度もなく、誘導するだけで出来たのでした。
手すりがない場所は、介助者、つまり私に掴まってもらい、自分自身の力で一歩一歩すすむ。足を高く上げて段差を乗り越えることもできました。
最初の情報では、要介護4と聞いていましたので、さまざまな環境を考えて男性陣には隣室のお部屋を確保していただき、サポート体制をしっかりと考えていましたが、私が食事を選びにレストランに行った時間と大浴場での入浴の時間だけ付き添ってもらいました。(彼女には、寝衣の着替えの際に清拭をしてあげました。)
ベッド上での上方移動も自力で可能。左右の肩を交互に浮かして少しずつ移動。見事な上方移動でしたよ。
事前におむつ使用とのことで、念のために使用したおむつも、装着時に腰を上げる、左右への身体を動かすことも問題なく可能。介護者としては本当に楽でした。
何をするために、どのように身体を動かすのか、出来る事を見極めて声掛けをしてあげる。
当たり前の事を、もしかしたら現場の忙しさから、つい、持ち上げたり、抱え上げたりはしていないだろうか・・。
観察する、待つ介護も大切だと思いました。
食事も、洗面も、更衣も・・。みんな同じこと。一度の食べこぼしでエプロンを使用してスプーンできざみ食・・。(彼女の荷物の中にも、使い捨てのビニールのエプロンがたくさん入っていました。)
彼女は普通食を美味しく食べていたのは、もしかしたら久しぶりに形の見える食材がとても嬉しかったのかもしれません。
ちなみに、夕食は高菜のおにぎり2個、煮魚とポテトサラダと卵豆腐とフルーツのゼリーを選んでお部屋に運びました。私は焼き魚と麻婆豆腐を選んだのですが、彼女は、私の麻婆豆腐も食べたいと言われたので、少し分けてあげたのでした。焼き魚も美味しそうねと言われました。
お箸を使い、食べこぼしもなく。
そんな、彼女のすべての反応には、きっと理由があるはずですよね。
ちなみに、翌日の朝食は、高速道路のサービスエリアのレストランで卵かけの朝定食。ご飯も大盛り。卵と納豆ときんぴらと味噌汁。彼女は、みんなと同じ速さですべて完食。私はご飯は半分残したのですが・・。(笑)
もともとせっかちな私。本当はもっと出来たことがあったのかもしれない・・。
と、振り返っています。